星医会 東海大学医学部同窓会
 
 会報(第29号)
 〜平成15年9月1日発行〜


助教授 今年は2名誕生
私がやりたいこと、私に出来ること
内科学系腎代謝内科学 鈴木 大輔(10期生)
 私が東海大学に入学したのが1983年ですから、今年で丁度20年間をこの東海大学で学生として、職員として、そして教員として過ごしたことになります。私にとっての人生の半分以上の時間です。
学生の頃はテニスに熱中し、連日の朝練(授業が始まる前の早朝の練習)と授業が終わったあとの練習に明け暮れていました。大学にはいつもテニスのジャージ姿で登校し、授業のほぼ半分は寝ていたように思います。追試も数多く受け、特に当時3年次で行われていた「臨床診断学」のための試験勉強と追試に通った時の喜びは今でも覚えています。そんな私が今は教壇に立ち、学生の口頭試問をしているとは自分自身、全くの驚きです。
 現在、日本の医学教育そして東海大学医学部ともに大きな転換期にあるように思えます。全国的には臨床実習が以前のポリクリ(見学型臨床実習)からクリニカル・クラークシップ(参加型臨床実習)に代わりつつあり、臨床実習の前には共用試験 (これは知識を評価するCBT試験とOSCEと呼ばれる態度・技能を評価する試験の二つが考えられています)が実施されるようになります。卒後研修もマッチング・システムの導入により、希望の病院ならどこでも研修ができるわけではなくなりました。また当医学部では本年度から医局制度(医局というスペースは以前と変わらずあります)が完全廃止され、2006年1月からは地下1階、地上14階の病床数803床の新病院が開院する予定です。まさに激変の渦中です。このような現状の中、最近ふと思うことがあります。それは卒業生があまり積極的には本学に残らなくなったのではないかということです。これには二つの意味があり、一つは新規の卒業生が当大学病院で卒後研修をあまり積極的にしなくなったことであり、もう一つは大学院を卒業したり、昔でいう後期研修医を終わった先生方や若手の助手の先生方が大学を去っていく機会が多いのではないかということです。これは今までの実数を正確に把握して、統計的に検討したものではもちろんありません。従って実態とは違っているかも知れませんが、私は実感しており、私の同級生達と話をすると同じことを言います。もしかするとこれは私たちの世代だけが感じていることかも知れません。しかしながらこれが事実なら、卒業生が母校で自信をもって研修できない、もしくは教員として後輩の面倒を見ることが出来ないということであって、大きな問題であり早急に改善すべきだと思います。それではこの原因はなんなのでしょうか?
我々10期生が卒業した時は、将来地元に帰ることを考えていた者以外は、ほとんどが東海大学での研修を希望していたような気がします。すなわち地元が東京以外の出身者がわざわざ東京の大学病院で研修をするといったことはあまりなかったように記憶しています。しかしながら最近、特に昨年は数十人の新卒の学生が都内の大学病院での研修の道を選びました。これは以前に比べ情報化が進み、他大学の研修内容が把握しやすくなったことが一因かも知れません。また今までとは違った環境に自ら飛び込んで行こうとする積極性の表れなのかも知れません。しかし別の見方をすれば、我々の大学もしくは教員の魅力が薄れた可能性もあります。考えてみれば私が東海大学での研修を選び、その後も東海大学での教員の道を選んだのは、極論すれば自分を指導してくれる先生方に大きな魅力を感じたからです。今述べたことは全くの的外れかも知れませんし、そうであって欲しいと願います。しかしながら今後も後輩達にとってこの東海大学がより良い教育や研究、臨床の場となるためには、我々は後輩達から見て魅力ある先輩にならなければいけないと思いますし、そして自分にできることはそういった魅力ある人材を一人でも多く育てることだと思っています。このことを自分の責務と思い、これからも諸先輩方からの指導を受けつつ、後輩の先生方と一緒に医師として、教員として、そして人間として成長していきたいと思います。

* 外科学系消化器外科学の大谷泰雄先生は本人の希望により3月号に掲載いたします。


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