星医会 東海大学医学部同窓会
 
 会報(第31号)
 〜平成16年9月1日発行〜


◆訃報◆
故 安藤 泰彦 教授を偲んで
臨床検査学 布施川 久恵(7期生)

  安藤泰彦教授は、膵臓癌のため平成16年4月8日逝去されました。享年66歳でした。先生は、東京都のご出身で、1962年慶応義塾大学医学部ご卒業。荻窪病院でインターンを経て、1967年慶応義塾大学医学部内科(血液内科)助手、1970年米国ブラウン大学医学部リサーチフェローののち、1972年慶応義塾大学医学部中央臨床検部助手、1980年慶応義塾大学医学部中央臨床検査部副部長をされたのち、1987年東海大学医学部臨床病理(現臨床検査医学)教授に御就任、付属病院臨床検査センター長を兼務。15年間東海大学の発展のために尽力され、2003年退官されました。慶応義塾大学医学部在学中は、バスケットボール部で活躍。国内78連勝という輝かしい成績をおさめたそうです。研究においては、「慶応の血小板のグループ」のリーダーとして活躍。多数の後輩の指導をされ、東海大学に赴任されてからも血小板の研究を継続し、なかでも活性化血小板の研究は特に注目を浴びました。東海大学医学部の卒業生には、臨床検査医学の安藤教授、付属病院の中央臨床検査センター長として温厚な先生というイメージが大きいかと思います。医療制度改革の度に臨床検査部門が医療の現場で厳しい環境に置かれているにもかかわらず、常に「正確、迅速、患者様に優しい検査」をモットーに、検体検査のオーダリングシステム、採血管準備システムの導入、速報検査の開始、緊急項目の充実、検体受付の一本化を行ない、生理検査部門では、予約のない患者の診察前検査の迅速結果報告、検査機器の充実。さらに大磯病院、八王子病院、池上総合病院へのベテラン検査技師の派遣など東海大学病院の患者診療の向上のためつねに努力を重ねてこられました。2003年3月に勇退され、5月10日に退官記念祝賀会をしたばかりで、退官後の人生を楽しく過ごされると誰もが思っていた時だけに、安藤先生の訃報は残念でなりません。
 安藤先生は、学会発表の前に落ちつかない私を御心配してくださり、「壇上で自分の研究したことを発表するだけで殺されるわけじゃじゃないから、ただしゃべってくればいいんだよ。」と毎回励ましてくださいました。発表後は、美味しい食事をご馳走になりながら「がんばって研究した。良い発表だったよ」とお褒めの言葉までいただき、また明日からもがんばろうと思ったことが何度もありました。その安藤先生が、「最近食欲が無くなって、すぐおなかいっぱいになるんだよ。癌でもできてるのかな」とある時お話になりました。検査の結果、膵臓癌と判明してから僅か1ヶ月の命でした。
 安藤先生の御活躍、御指導に感謝の意を表し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。





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