星医会 東海大学医学部同窓会
 
 会報(第34号)
 〜平成18年3月1日発行〜


学内助教授誕生

 卒業生から今年度学内助教授が9名誕生し、お二方には9月発刊の会報に寄稿頂きました。本号でも外科学系呼吸器外科学の山田俊介先生(4期生)に原稿を頂きましたのでご紹介させて頂きます。
 なお、誠に残念ですが、他の助教授の先生方のお声を紹介できず、申し訳ございません。



助教授に昇進して感じた事
東海大学八王子病院 呼吸器外科 山田 俊介(4期生)

 2004年4月に東海大学医学部外科学系呼吸器外科学の助教授という大役を仰せつかりました。この事件はまさに自分の人生にとって想定外のことであり、過去を顧みました結果、まさに幸運の二文字につきると確信いたしました。
 自分は1990年、まさにバブル崩壊の直前に大学病院の勤務を離れ出向先の勤務地へと移動となりました。足掛け13年、湘南海岸に面する平塚杏雲堂病院を皮切りに、カナダはオンタリオ湖湖畔の都市トロントの総合病院、相模湾に面した温和な港町そして東海大学発祥の地である清水市の市立病院、最後は東京の中心霞ヶ関の向かいにある虎ノ門病院と様々な地域で臨床を中心とした業務を行ってまいりました。自分にとって幸運であったことは、家族のサポートはもとより、各地域で多くの知人や友人に恵まれ、それらの人々に助けられて楽しく勤務が継続できた事です。しかし今回の大事件のルーツとなった幸運とは1991年頃より始まった胸腔鏡下手術(VATS: Video-Assisted Thoracic Surgery)です。従来の外科治療の主流は ”広範囲に広がった病巣に対してどこまで外科的切除が可能か”を追求した拡大手術路線でした。当然、胸は大きく切り開いての手術となります。ところが、新しい外科治療であるVATSは今まで習得した手術の基本とは180度異なり“いかに少ない手術侵襲で、つまり小さな傷で手術が行えるか”に主目的がおかれた手術です。1992年にお世話になったトロント大学の主任教授がたまたま北米VATSの中心的役割に従事しており、手術見学やVATSセミナー等の参加を通して北米でのVATSの現状を知り興味を持ちました。そして当時の日本ではVATSは手術適応に限界ありとの見地から従来の手術に固執する施設が大半を占め、片手間に行う手術として処理されていました。しかし東海大学呼吸器外科では井上教授の指示のもとVATSが積極的に導入され、自分にとっての幸運は出向先で自由にVATS の手術手技に関する研究が出来きたことでした。更に東海大学の傘の下に在籍していることで、他施設での異なった操作方法によるVATSを修練する機会も得られたこともあり、本院とは異なる独自の手術を確立することができました。現在呼吸器外科手術の主流は拡大手術路線から縮小手術路線に修正されVATSは必要不可欠な手術として不動の地位を確立しつつあります。めまぐるしい医療の技術変革の中で、今まで費やしたテーマが時代の主流に変わった今、いかに自分が幸運であるかと痛感いたします。
 現在自分は東海大学八王子病院に戻り、呼吸器外科医として勤務をいたしております。今後さらに東海大学医学部が発展いたしますよう努力する所存でございます。皆様方のご指導、ご協力のほどよろしくお願いいたします。


▲ページのトップへ
←目次へ戻る
←会報のページへ戻る