星医会 東海大学医学部同窓会
 
 会報(第37号)
 〜平成19年9月1日発行〜



私立医科大学同窓会連絡会東部会開催主催にあたって
(アンケート調査報告:「女性医師・女子学生と学士入学に関する調査」)
副会長 白石 光一

 第39回私立医科大学同窓会連絡会東部会の主幹を星医会が行う事となり、会長金渕一雄を中心に2007年6月2日京王プラザホテル新宿で開催しました。参加私立医大同窓会は、岩手医科大学、自治医科大学、独協医科大学、埼玉医科大学、日本大学、昭和大学、東邦大学、日本医科大学、慶應義塾大学、東京女子医科大学、東京医科大学、順天堂大学、東京慈恵会医科大学、帝京大学、杏林大学、聖マリアンナ医科大学、北里大学そして東海大学の以上の18大学でした。また、高野二郎東海大学学長、猪子英俊医学部長、幕内博康病院長のご出席も頂き盛会に行われました。
 連絡会は初めに金渕会長の挨拶のあと前東海大学医学部付属病院副院長、現神奈川県病院事業管理者、病院事業庁長の堺秀人名誉教授より「東海大学医学部・付属病院における経営改善」について講演があり現在の東海大学医学部付属病院の経営状況の好転に貢献したその軌跡を提示していただきました。各私立大学同窓会の代表の先生方は、付属病院の経営にも関係している立場の方が多く質疑応答も活発に行われました。
 今回の東部会では事前に各大学同窓会へ「女性医師・女子学生と学士入学に関する調査」のアンケートを実施しました。金渕会長から調査結果の報告があり、以下その内容について提示します。

 【目的】
1. 私立医大の女子学生の割合は増加し、女性医師もそれに伴い増加している。大学付属病院での実態調査を行い女性医師、学生の問題点を抽出する。
2. 学士入学が徐々に増加している状況で各私立大学での取り組みについての調査を行い学士入学者の卒後動向について検討する。

 【アンケート内容と結果】
1. 私立医科大学の女子学生の調査では、全体10,612人中女子学生は3,276人で31%を占めている(図1)。独協医科大学、埼玉医科大学、東邦大学、北里大学、東海大学が40%に近い女子学生を有しており明らかに女子学生が増加していると推測される(図2)。
2. 私立医科大学付属病院における女性医師の人数比は医師8,175人中1,848人の23%と女子学生比率より低かった(図3)。各大学の女性医師をみてみると東京女子医科大学が40%と最も高く、一方、10%台の付属病院が多く女子学生比率の高い大学でも同様であったが自治医科大学、慶應義大学、杏林大学、聖マリアンナ医大、東海大学は20%以上を占め徐々に女性医師の割合は増加 している事が認められた(図4)。
3. 女性医師比率の高い診療科についての調査結果(図5)では、小児科、産婦人科、麻酔科が高い傾向にあった。内科は細分化されており比率が低下していると思われるが、現在医師不足、職場環境が社会問題にもなっている科に女性医師が多い事が認められ女性医師への対策が問題解決の一手段となることが示唆された。
4. 私立医科大学東部における女性医師支援制度や施設についての調査を行った。図6に示すように産休制度は15校83%に設けられていたが3校はなかった。産休後の勤務体制の緩和制度(日勤のみの勤務など)は14校78%に設置されていた。しかしながら、長期産休後の再教育制度は東京女子医科大学のみであった。育児支援の施設の調査結果(図7)では院内保育は10校にあるものの8校ではいまだ保育施設を有していなかった。しかし、院内保育でも内容に格差があり24時間保育の整った施設はわずかであった。病児保育は東京女子医科大学のみで設置されているのみであった。出産後の休職や退職は各付属病院で差が認められるが女性医師支援制度や施設との関連については明らかではなかった。
5. 東部18校の学士入学制度の調査を行った結果、5校のみに設置されていた(図8)。岩手医科大学が昭和48年に開設され、昭和63年に杏林大学、東海大学に設けられ、平成6年に北里大学、平成18年に日本医科大学でも開始されたが、東海大学学士入学(現在、編入学)定員40名に対して他大学では若干名と少ない状況であり私立医大全体の検討には至らなかった。今後、学士入学による影響を医師国家試験合格率、卒後進路の面から検討していきたい。

 【考察】
 女性医師の増加に伴い職場環境、制度はまだ充分に追いついていない現状があり医師不足の一因となっている。特に、小児科、産婦人科、麻酔科と医師不足が社会問題となっている科では女性医師 の割合が多く女性医師への対応が急務となっている。


図1
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図3
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図5
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図6
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図7
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図8
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