星医会 東海大学医学部同窓会
 
 会報(第39号)
 〜平成20年9月1日発行〜


特集2

がん診療連携拠点病院について
がん診療連携拠点病院運営委員会委員長  徳田 裕
委 員  谷亀 光則

 我が国のがん対策については、がん対策基本法および同法に基づく「がん対策推進基本計画」により総合的かつ計画的に推進されており、がん患者がその居住する地域にかかわらず標準的な治療を受けることができるよう整備されつつある。
 がん診療連携拠点病院は、都道府県に一か所の「都道府県がん診療連携拠点病院」と2次医療圏に一か所の「地域がん診療連携拠点病院」の総称であり、東海大学医学部付属病院は地域がん診療連携拠点病院に指定された。
 がん診療連携拠点病院の指定要件の主たるものは以下の通りである。



【1】診療体制
(1) 診療機能
[1] 集学的治療および各種診療ガイドラインに基づく標準的治療の提供
[2] 化学療法の提供体制
[3] 緩和ケアの提供体制
[4] 病病連携・病診連携の協力体制
[5] セカンドオピニオンの提示体制
(2) 診療従事者
専門的な知識および技能を有する医師の配置
2) 専門的な知識および技能を有するコメディカルスタッフの配置
(3) 医療施設
[1] 年間入院がん患者数
[2] 専門的ながん医療を提供するための治療機器および治療室などの設置
[3] 敷地内禁煙等
【2】研修の実施体制
(1) 当該2次医療圏においてがん医療に携わる医師を対象にした早期診断および緩和ケアに関する研修を定期的開催
(2) 診療連携を行っている地域の医療機関等の医療従事者も参加できる合同カンファレンスの定期的開催
【3】情報の収集提供体制
(1) 相談支援センター
(2) 院内がん登録


【1】(1)[4]の病病連携・病診連携の協力体制においては、



と図示することができる。
 さらに、在宅療養中の患者の軽度の体調不良などのために入院できる医療機関や、家族のレスパイトのための入院や(緊急)ショートステイなどの可能な医療機関や介護施設が不可欠となる。また病状や患者・家族の要望により緩和ケア病床も必要となる。
 【2】の研修においては、2次医療圏が湘南西部医療圏となるので、秦野伊勢原医師会(秦野市・伊勢原市)、平塚市医師会(平塚市)、中郡医師会(大磯町・二宮町)の担当者との打合せを重ねており、実現に向けて協力体制をとっている。特に医療機関に従事するコメディカルスタッフの育成が必要であると感じている。
 【3】(1)の相談支援センターでは、相談業務は当院のMSWが担当することとなり、情報の提供では各種広報を行うとともに「調べのコーナー」の図書を充実することを考えている。
 東海大学医学部付属病院は、おかげさまで地域の信頼を得て医療を提供させていただいているが、病床稼働率は100%近いという混雑度である。予定入院患者が入院予定日に入院できず数日待つことも多くなりご迷惑をおかけしている。院内では平均在院日数を可能な限り削減する努力を、これ以上ないくらいに行っているがそれでもこの状況である。また近隣の2次救急医療提供体制の不足から、当院の3次救急医療も時代とともに受診者が増加しており、悩ましい問題を抱えていることは事実である。星医会の皆様には、このような現状を十分にご理解いただき、診療連携に益々のご協力をお願いしたい。

「がん診療連携拠点病院について」
 東海大学医学部付属病院は、地域がん診療連携拠点病院に指定されておりますが、近隣の医療機関との協力体制が不可欠であります。既に密接な診療連携を持っている星医会会員も多いと聞き及んでおりますが、ここでより一層のご理解を頂きたく、今回は付属病院におけるがん診療連携拠点病院の実態を運営委員会に寄稿して頂きました。




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