星医会 東海大学医学部同窓会
 
 会報(第45号)
 〜平成23年9月1日発行〜


医師国家試験

第105回医師国家試験について
2010年度東海大学医学部医師国家試験対策委員長
 川田 浩志(血液腫瘍内科准教授)

 2010年度の東海大学医学部医師国家試験対策委員長を拝命しました川田浩志です。それまでも先代の委員長であられた今井 裕教授(現医学部長)を補佐するかたちで、医師国家試験(以下「国試」)対策に参画してまいりましたが、なかなか結果の出せない辛い年も経験し、いっそうの改善の必要性を痛感しておりました。そこで、委員長就任を機に、6年次のパートIとパートIIからなる総合試験(いわゆる卒業試験:以下「卒試」)と、国試対策の内容を中心に、大幅にリニューアルさせて頂くことにいたしました。具体的には、@従来のパートIの試験範囲であった卒業準備問題集からの改変問題のウェイトをパートI全体の3割に減じ、新たに7割を国試対策のために全国の受験生が広く活用しているクェスチョン・バンク(QB)からの改変問題の出題としました。A必修問題をパートIの段階から一定数かならず出題することによって、はやい時期から必修問題に慣れさせることに努めました。BパートIIの試験範囲を直近3年分の国試過去問だけでなく、さらにQB全範囲も加えるとともに、問題数を従来の2倍の240問としてパートIIのウェイトを増すことで、数ヶ月にわたる卒試期間の後半での挽回を可能にして学生のモチベーション維持に努めるようにいたしました。CパートIIの実施を、従来よりも後方の日程へずらして十分な勉強期間を確保するとともに、試験終了後から国試までの間があきすぎて学生の気持ちがだれるのを防ぎました。DパートIとIIの間に実施していた集中講義は、学生からニーズのあった弱点科目のみとし、出席も任意として、自由度を高めました。E追試は1度のみとして、適度の緊張をあたえつつも実力向上のために落ち着いて勉強できる期間をしっかり確保するとともに、試験範囲を上記したような新パートIIの試験範囲と同じくすることで、国試対策のための勉強と完全にオーバーラップさせて、追試に合格できれば国試にも合格できる実力がついているようになることを目指しました。さらに、F各科の国試対策委員の先生方のご協力のもとで『必修問題対策のための各科の基本手技と診療器具・検査機器のまとめ集』を作成し、学生へ配布することで、必修対策をより強化いたしました。そして、Gこれらの変更プランを、学生たちが5年生だった時点で彼らに提示し、学生達全員の納得のもとで、新しい卒業試験システムをスタートさせることで、学生がより能動的に勉強できるように配慮しました。そのため、従来よりも卒試合格のための勉強量はかなり増えることとなりましたが、皆、本当に不満を漏らさずに頑張ってくれました。
 これら末広がりの「8つの改革」の結果として、2010年度は4人の卒業延期者を出したものの、110人という多くの学生を卒業させることができ、第105回医師国家試験につきましても、うち103人合格(93.6%)と、新卒者の全国平均(92.6%)や国公立の平均(93.5%)、私立の平均(91.5%)を上回ることとなりました(全80校中36位)。また、既卒者には、国試対策運営部会の長谷川巌先生(法医学)とともにコンタクトを試みました。全員と連絡をつけることはできませんでしたが、希望する者には面談を実施して勉強方法をアドバイスしたり、『必修問題対策のためのまとめ集』を配布したり、予備校の方と連絡をとって学習状況を把握してメッセージを伝えていただくなど、できるかぎりのことはいたしました。結果として既卒者も奮闘し、21人中14人(66.7%、80校中28位)が合格しました。新卒と既卒を合計しますと117/131(89.3%)と、全国平均とぴったり同じ合格率(全80校中44位、私立29校中12位)で、東京医大の119人についで多くの医師を東海大学医学部から輩出することができ、医師不足が問題となっている日本社会にも貢献できたと考えております。新たに医師となられた皆さんの今後のご活躍を心からお祈り申し上げます。
 さて、この調子で、いやそれ以上の成果を出すべく、2011年度の卒試ならびに106回の国試にむかって頑張ってまいりたいと思っております。しかし、正直申しまして、今年度の学生の現段階での全体的な実力など様々なファクターを分析したところでは、なかなか楽観できません。やはり、こちらの努力や思い入れだけでは、どうしようもない部分も多々あります。なにより主役の学生にがんばってもらわないといけません。そのためにも、星医会の諸先生やご父兄におかれましては、学生諸君あるいは既卒の方々へ、どうか温かい叱咤激励をお願い申し上げる次第です。
 最後になりますが、2010年度の卒試・国試対策にご尽力を賜りました今井裕医学部長先生と国試対策運営部会の諸先生、各科の国試対策委員をはじめとする諸先生、教育計画部と教学課の方々、医学振興会の皆様、ご父兄、そして星医会の皆様に感謝の意を表し、筆をおかせていただきます。今年度も何卒宜しくお願い申し上げます。



◇第105回医師国家試験結果

本学卒業生
   受験者数   合格者数   合 格 率 
 新 卒  110 103 93.6 %
 既 卒   21  14 66.7 %
 合 計  131 117 89.3 %

全国平均
   新卒合格率   既卒合格率   総合格率 
 国立大学平均  93.5 % 58.8 % 90.4 %
 公立大学平均  93.9 % 65.0 % 92.2 %
 私立大学平均  91.5 % 63.2 % 88.0 %
 総計平均  92.6 % 52.4 % 89.2 %


◇回数別合格状況(本学・全国)

     回(年度)   受験者数   合格者数   合 格 率   受験者数   合格者数   全国合格率 
 第101回(2006)  117 106 90.6 % 8,573 7,535 87.9 %
 第102回(2007)  110  88 80.0 % 8,535 7,733 90.6 %
 第103回(2008)  107  82 76.6 % 8,428 7,668 91.0 %
 第104回(2009)  130 110 84.6 % 8,447 7,538 89.2 %
 第105回(2010)  131 117 89.3 % 8,611 7,685 89.3 %



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